10.で取り込んでエフェクトをかけた歌を聴きながら、別に立ち上げているVOCALOID Editorで音符やパラメータを編集していく。
著者の方法では、DAWとVOCALOID Editorは連動させない。ある程度いじったら改めてWAVEファイルを書き出して、DAWのトラックに上書きして聞きなおす、というのを繰り返すやり方でいく。
ここでは、音の長さとビブラートの微調整、ポルタメントの調整、全体的な音量の上げ下げ(だけ)を行なう。
音の長さは、聞いてみて長すぎる、あるいは短すぎると思う場所、音がつながって欲しくないのにつながっているところ、つながって欲しいのに切れているところを適当に編集して変更する。
ビブラートは、かかってほしいところとかかってほしくないところ、かかり始めの位置などを調整する。音符の下にある線の、ギザギザが始まる部分をつまんで左右に動かすとかかり始めの位置を修正できる。ギザギザがない場合は、左端以外をダブルクリックするとビブラートのプロパティ画面が出るので、そこでビブラートの種類を設定するところから始める。
ポルタメントは、かかってほしくないところにかかっている場合は、音符の下の線の左端をダブルクリック(または音符を右クリックで「音符のプロパティ」を開き、EXPボタンを押す)して、「上向・下向ポルタメント」のチェックを外す。逆に、かかってほしいのにかかっていない場所では、音節を分けて違う高さに置いたりする。
例えば、「ら」という音を強制的に「ポルタメント的」にしたい場合は、「ら・あ」の2音節に分けて、「ら」のほうを直前の音符と同じ高さに、「あ」のほうを本来の高さに置いてぴったりとくっつけて配置すると、それっぽくなる。(PITの編集で行なうのが本来の姿だが、VOCALOIDは自動的に声を滑らかにつないでくれるので、大抵はこのやり方で十分いける)
なお、ポルタメントの設定がないにも関わらずポルタメント的になってしまうケースもある。このようなケースの場合、音の間隔を離すのが最も簡単(ただし、スタッカート的な歌い方になってしまうが)
音量の上げ下げについては、DYNのパラメータをいじるのだが、ここでは1音1音の音量のばらつきはいじらない。そうではなく、全体的な抑揚を調整するとか、フレーズの最後の伸ばした音がブツ切れするときに、DYNでスムーズに音量を下げるとか、そういう全体的な調整だけを行なう。
それ以外でも、慣れてくればジェンダーファクターや全体的なブライトネスもいじってよい。あくまでもこの段階は「全体」の調整にとどめる。
「全体」の修正が終わったら、このステップは終了。
続く。