2009年05月19日

訛音ルカ(なまりね・るか)

ここしばらく、巡音ルカの英語DBを使って、アグネス・チャン、カルロス・トシキといった歌手の曲を日本語で歌わせる試みをやってきた。


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そして、この、「巡音ルカの英語DBでなまった日本語」というキャラに、先日、初音ミクみくさんで「訛音ルカ」という仮称をつけていただいた。

巡音ルカ(英語データDB)とアグネス・チャンとの親和性が高すぐる件

その後しばらく様子を見させていただいていたところ、この「訛音ルカ」という呼称を、自分以外の人も少しずつ使い始めていることを発見した。

http://d.hatena.ne.jp/tessin/20090512/1242141301
訛音ルカの可能性 - TEA JUNCTION next

http://www.nicovideo.jp/tag/%E8%A8%9B%E9%9F%B3%E3%83%AB%E3%82%AB
ニコニコ動画「訛音ルカ」タグ

あ、なんかいいな。と、ちょっと嬉しくなった。

というわけで、別に自分に決める権限があるわけでもなんでもないけど、とりあえず自分は、「巡音ルカが英語DBで日本語を歌う、というキャラ」を「訛音ルカ」と呼ぶことに決めた。(なので、自分が投稿した動画の「訛音ルカ」タグはロックしてみた)


以下、自分なりの訛音ルカについての覚え書き。
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1.訛音ルカとは?

 ボーカロイド2「巡音ルカ」の英語DBを使って日本語の曲を歌わせた(日本語の発音をさせた)ときの、独特の訛りのある歌唱からイメージされるキャラクターのこと(仮称)。
 「なまりね・るか」と読む。
 現状、それ以上の設定はない(未定)。

http://www.nicovideo.jp/tag/%E8%A8%9B%E9%9F%B3%E3%83%AB%E3%82%AB
ニコニコ動画「訛音ルカ」タグ

2.訛音ルカの導入・使用方法

(1)VOCALOID2 CV03 巡音ルカを導入する。
(2)「訛音ルカ・ユーザー辞書」をインストールする。

 訛音ルカ・ユーザー辞書はこちら

 インストール方法については、こちらの記事を参照。ちなみにこの「訛音ルカ・ユーザー辞書」は、クリプトン謹製のユーザー辞書に、日本語発音のために必要なカナを一部追加したもの。

(3)VOCALOID Editorで巡音ルカ英語DB(Luka_ENG)を選択し、歌詞をかな1文字ごとに英単語扱いでスペースを入れて入力していく。

 例えば「あなたがすき」という歌詞なら、歌詞入力エディタで「あ な た が す き」と入れる。文字は全角かなでスペースは半角なのでちょっと面倒だが、本来英語を入力するためのものなので仕方がない。もちろん、音符を1つずつ選択して1文字ずつ入れてもOK。
 「しゃ」「ちゃ」のような拗音は、大きなカナ+小さなカナを1かたまりで扱う。(「しゃ しゅ しょ」→○、「し ゃ し ゅ し ょ」→×)
 伸ばす音は「ー」ではなくて伸ばすべき母音を入力する。(「す う ぱ あ」→○、「す ー ぱ ー」→×)
 なお、「ん」については、ユーザー辞書の制約により登録されていないので、「ん」を入れたところは「うー」というデフォルト発音になる。「ん」については個別に発音記号をいじって(音符を選択して[ALT] + [↓])、発音記号「n」を入れることが必要。


(3)-b (2009/5/21追加)
 上記のやりかたよりも簡単で汎用性の高いやりかた。
 ルカ日本語DB(Luka_JPN)で普通にひらがなで入力して、その後でシンガー設定を「Luka_ENG」に切り替え、メニューから「歌詞」→「発音記号変換」を選択すると、トラック一括で訛音ルカに変換される
 このやり方なら、既存の日本語ボカロ用のVSQを簡単に訛音ルカに流用可能
 (訛音ルカユーザー辞書がアクティブになっていることが必要。)



3.訛音ルカ Tips

(1)基本的にはアグネス・チャンみたいなアジアン・イングリッシュ訛りな歌い方になる。
(2)使える音域は結構広いが、低いほうはかなり中性的な声質になり、高いほうは軽い感じの声質になる。
(3)GENとかBRIはあえていじる必要はないと思う。いじるとプチノイズが出やすくなるし、デフォルトのままが安定。
(4)発声が遅れたりあいまいになったり、いろいろ大変なことになるが、それもまた味わい。
(5)ルカの英語DBは日本語DBより素直な印象なので、訛音ルカにはすっぴん調教が結構通用する。
(6)かなり声が小さく、繊細な声質なので、うまく音圧を上げるような加工が必要。
(7)英語と日本語の混ざったような曲には、実は意外と使える実力派。

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最後に、上記Tipsの3-(2)にあるように、訛音ルカの低いほうの音域がかなり中性的だということのサンプルとして、先日アップした「君は1000%」のオクターブ下バージョンを制作してみた。



同じ音源で1オクターブ変えただけ(GENなどのパラメータはいじってない)で、これだけ変わるのはある意味ちょっと驚き。

posted by だんちゃん at 23:25| Comment(5) | TrackBack(0) | 英語ルカ・英語ボカロ | 更新情報をチェックする

2009年07月25日

ソニカに日本語を歌わせる

というわけで、ソニカでの次のチャレンジは、ソニカに日本語を歌わせること。

基本は、「訛音ルカ」(巡音ルカの英語DBで日本語を歌わせる)のと同じなんだけど、それだけだと、発音が相当おぼつかない感じになる。

そこで、実際に発声された声を聞きながら、おかしな発音を可能な限り直していくことになる。
具体的には、

1.アの発音に、訛音ルカ辞書ではデフォルトで「V」が使われているが、発音があいまいすぎる場合は、これを「Q@」に変える。

2.短母音と長母音(Iとi:、Uとu:など)を随時切り替える。

3.子音のうち、単語の頭用と途中用で異なる音素を持っているもの(phとp、bhとb、thとt、dhとd、khとk、ghとg)については、発音がおかしいと感じるものは随時切り替えてみる(実際には、頭用を単語の途中で使ったりしても発音はしてくれるので、制約なく試してみるのがいい)

4.その他、訛音辞書では使われていない発音記号も、いろいろ試してみる。

発音記号をチェックするには「巡音ルカ」のソフトについているマニュアルに掲載されている発音記号一覧が便利だが、ダウンロードで購入したSONIKAにも同じものがPDFで付属している(英語だけど)。

そんなわけで、かなり時間をかけて(といっても2~3時間だけど)発音記号を直しながら作ってみたのがこちらの2曲。




それと、既に前の記事に「追補」で掲載しておいたけど、以前逆のアプローチで「日本語ボカロで英語」というチャレンジをやった「夢のカリフォルニア」のメインボーカルをレンからソニカに変えたバージョンも制作してみた。


英語ボカロ→日本語、日本語ボカロ→英語、どちらのアプローチも大変だけど、頑張れば何とか「聞ける」程度の曲には仕上がる(と個人的には思う)し、それなりに面白い試みなんじゃないかと思う。
posted by だんちゃん at 20:35| Comment(0) | TrackBack(0) | 英語ルカ・英語ボカロ | 更新情報をチェックする
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