2008年01月24日

VOCALOID2操作(調教)法(おまけ-2)

17.おまけ(続き)

(2) 編集時の便利な操作

 なんかあまり整理されていないようなので、備忘録的にまとめておく。
 ここでの操作は、全部を網羅しているんじゃなくて、ちょっと便利なものだけをまとめたもの。

① ピアノロール上の編集
 ・音符をクリックしてしばらく待っていると、発音してくれる。
 ・音符をダブルクリックすると、歌詞が入力できる。
 ・歌詞をまとめて入力したいときは、最初の音符を選択して右クリックで「歌詞の流し込み」を選ぶ。
 ・歌詞入力モードで「ALT」+「↓」を押すと、音節を直接編集できる。
 ・音符の下の線のうち、左端のとがった部分をダブルクリックすると「表情」の設定が出来る。
 ・音符の下の線のうち、左端のとがった部分は、アクセントを表現している。
  アクセントを強くすると、「とがり」も大きくなる。
 ・音符の下の線のうち、それ以外の部分をダブルクリックすると「ビブラート」の設定が出来る。
 ・音符の下の線で、右側にギザギザがある場合、それはビブラートを意味している。
  ギザギザの始点をつまんで左右に動かすと、ビブラートの開始位置を編集できる。
 ・ポインターツールを選び、「CTRL」を押しながらピアノロール画面をドラッグすると、その範囲の音符とコントロールトラックの全内容が選択できる。(これで、1番の歌を作りこんでそれをそのまま2番にコピー・ペーストできる)

② シーケンスウインドウ(ピアノロールの上にある、3段の黒い帯の部分)の操作
 ・編集ツールを選び、一番上の段でマウスをドラッグすると、始点・終点を設定できる。
 ・WAVEファイルは、始点・終点が有効になっている場合、その範囲だけ書き出される。
  始点のみ、あるいは終点のみ有効という設定もOK。
 ・初期設定のテンポ、拍子はプリメジャー(ピアノロール左端の黒いエリア)の始点で設定されているので、ここをダブルクリックして変更する。

③ コントロールトラック(ピアノロールの下にある、パラメータ編集部分)の操作
 ・初期設定の歌手は、プリメジャーの左端のSINGERの段で設定されている。これをダブルクリックすると変更できる。

④ 画面のその他部分の操作
 ・ピアノロールの鍵盤をクリックすると、「あー」でその音階を歌ってくれる。


続く。
posted by だんちゃん at 21:29| Comment(0) | TrackBack(0) | VOCALOID調教法 | 更新情報をチェックする

VOCALOID2操作(調教)法(おまけ-3)

18.おまけ(続き)

(3) 音素の直接編集

 VOCALOIDが発音できる音で、歌詞をそのまま打ち込んだ場合には設定されないものもいくつもある。
 ここでは、そんな発音の中で、滑舌の改善や表情づけのために「使える」ものをまとめておく。
 これらの音素は、音符をダブルクリックして歌詞の編集モードに入りさらに「ALT」+「↓」で音素の編集モードに入ることで設定できる。

(一度手作業で音素を編集すると、その音符は「プロテクトモード」に入り、歌詞や全体の歌唱スタイルを変更しても修正が適用されなくなる。これを解除するには、音符を右クリックで「音符のプロパティ」を選択肢、「プロテクト」のチェックを外せばOK。)

① 子音のみの発音
 以下の発音は、子音だけで長く伸ばすことができる。
 「s」(スの子音のみ)
 「S」(シの子音のみ)
 「m」(ハミング。ただし、とても「m」とは思えない変な発音をすることも多い)

 これら以外の子音も英語の歌を歌わせるときなんかは使える。ただし、子音だけだと発音しないものもたくさんあるし、発音できる子音でも短い間隔で並べると発音しなくなったりする。この辺りは試行錯誤で。

② 子音+母音
 「w o」(「ウォ」の発音。ちなみに歌詞で「を」と置いてもデフォルトでは「o」が設定される。)


続く。
posted by だんちゃん at 21:30| Comment(2) | TrackBack(0) | VOCALOID調教法 | 更新情報をチェックする

2008年02月21日

VOCALOID2操作(調教)法(おまけ-4)

(4) コーラス作成のポイント

 コーラスを作ったときには、それぞれのトラックを「ランダマイズ」して発声のタイミングと音程を微妙にばらつかせると美しくなる。

 ポイントとしては、ランダマイズ前のvsqファイルは別に残しておくこと、音程のランダマイズはピッチコントロールを使うので、ピッチコントロールを手動で変化させて使っている場合は上書きされて消えてしまうので注意が必要だということくらい。
 ちなみに、著者の場合、ランダマイズはタイミングが2、音程が3で適用している。(ただし遅い曲の場合、タイミングずらしは1が限界)

 ただし、タイミングをずらすと、今までつながっていた音がつながらなくなったり、その逆が起こったり、発音のタイミングにあわせて設定してあるコントロールパラメータとの位置関係がずれたりするので、その辺りを再度調整する必要がある。

 なお、このランダマイズは、コーラスでないときでもうまく使うと人間っぽい歌い方を演出できる。

 また、多声の曲はそれぞれの声部のパン(左右の位置)を変えて、ステレオで出力するのが基本。
 これは、VOCALOID Editor内でやる場合は、メニューの「表示」→「ミキサー」でミキサーを表示させて調整し、WAVEファイル出力の際に出力を「ステレオ」にすることで対応できる。
 または、トラックごとに別々にWAVEファイルを出力して(この場合はモノラル出力にする)、DAW上でパンを変えてステレオミックスしてもよい。(恐らく後者のほうが融通が利く)

 もう一点、同じパートでいくつもトラックを作って厚みを出す場合は、ジェンダーファクターを変えたりランダマイズの大きさを変えたりDAW上で発声のタイミングを微妙に前後にずらしたりすると効果的。

 DAWでの編集では、コーラスエフェクトを使うかどうかを検討する(個人的には声の角が取れすぎてしまってあまり好きではないが、わずかにかけると厚みが増す)。リバーブはホール系を深めに。


(とりあえず完結)
posted by だんちゃん at 22:34| Comment(1) | TrackBack(0) | VOCALOID調教法 | 更新情報をチェックする

2008年05月11日

すっぴん調教法の動画を作った。

ミク、レンを使って、ぼかりすデモ曲「PROLOGUE」のカバーをやっていく中で、これからのボカロ調整(調教?)のありかたの一つをまとめてもいいかな、と思えるようになった。

それが、自分なりに「すっぴん調教」と呼んでいるやり方。

これは、VOCALOIDのいわゆる「調教」を必要最小限にして、そこから先をDAWのコンプその他のエフェクターに任せてしまうやり方。

そのやり方のエッセンスを手短にまとめた動画を作って、アップした。




【お手軽調教】 VOCALOIDを「すっぴん調教」する 【初音ミク・鏡音レン】

VOCALOIDでカバー曲をいくつか作っていて、一番フラストレーションがたまったのが、「ノウハウが集積していかない」こと。
自分にセンスがないだけなんだけど、VOCALOIDの出力の「荒れ方」がいつも違っていて、そのつど試行錯誤で修正していっても、どうしても自分には「こうすればこうなる」という定型化した「職人技」が見つかってくるようにはならなかった。
(だから、ごく初期のカバー曲と最近のを比べても、「うまくなった」気がしない。)

それで最終的には、「コンプレッサーとかをうまく使って、アラを目立たせないように手早く仕上げるのが、結局、効率や安定性、再現性の面からは一番無難なんじゃないか」という結論に到達した。

その気持ちが、ぼかりすが出てさらに強くなった。
いわゆる「職人技の神調教」については、今後はどうしても「ぼかりす」が基準になってしまうだろう。(ぼかりす水準の表現力+ミクらしさ、みたいな)

そんな「ぼかりすvs職人」という構図でVOCALOIDのハードルが高くなりすぎてしまうことに対して、ささやかな「別の提案」として、あっさり仕上がって安定した「そこそこ水準」の結果が出せる「すっぴん調教」のやり方をまとめておきたいな、と思った。

もちろん、ここでまとめたことは、DTMerなら普通にやっていることだと思う。自分は、大昔を除けばここ半年くらいしかDTMをやっていない素人なので、こんな動画を作るのは恐れ多いな、とも思った。
でも、まあ叩かれれば引っ込めればいいや、ということでとりあえず作ってみた。

アップした気持ちとしては、動画のなかにも書いたとおり、これからボカロを始めようか迷っている人の背中を押したい、ということ。
この動画を見て、「なんだボカロって簡単なんだな、じゃあやってみようかな」と思う人が一人でもいたら、この動画を作った意味があったということで・・・。

追記:「初音ミクみく」さんに取り上げていただきました。
posted by だんちゃん at 17:15| Comment(6) | TrackBack(1) | VOCALOID調教法 | 更新情報をチェックする

2008年05月18日

すっぴん調教・続き

すっぴん調教への反響ありがとうございます。

ニコニコ大百科(仮)にも、さっそくどなたかが項目を立ててくださいました。(これ書いたの自分ではないです。というか、プレミア会員ではないので・・・)
http://dic.nicovideo.jp/a/%E3%81%99%E3%81%A3%E3%81%B4%E3%82%93%E8%AA%BF%E6%95%99

コメントでいくつかご質問&ご意見をいただいていますので、お答えしたいと思います。

続きを読む
posted by だんちゃん at 15:58| Comment(0) | TrackBack(0) | VOCALOID調教法 | 更新情報をチェックする

2008年07月29日

すっぴん調教に使ってるVSTエフェクトを晒してみる。

以前アップした「すっぴん調教」の動画では、話を簡単にするために、BLOCKFISHとBuzMaxi3しか登場させなかったけど、もちろん実際にはもう少しいろいろ使っている。
そんなわけで、今回は、自分が調整するために使っているフリーのVSTエフェクトを整理してみようと思う。

(1)コンプレッサー

BLOCKFISH

blockfish

いわゆるマキシマイザーを除くと、コンプはほぼこれ1本。
コンプには、出音がナチュラルなものと、クセがつくものとあると思うけど、このコンプは相当「クセがつく」タイプのコンプだと思う。
「すっぴん調教」動画で紹介していたように、「close-up vocals」のプリセットをまず選んで、そこから微調整して使っている。

「the fish fillets」のパッケージの中に入っている。digitalfishphonesのサイトからダウンロード可能。


(2)ディエッサー

SPITFISH

spitfish

BLOCKFISHを紹介したので、同じ「the fish fillets」のパッケージの中に入っている、このディエッサもここで紹介。
これはサ行を中心とした、耳障りな高音のアタックを丸くするエフェクト。
「female voice (soft)」のプリセットを基準に、微調整して使っている。

(3)イコライザー

Electri-Q (posihfopit edition)

Electri-Q

グラフィカルなパラメトリックイコライザ。プリセットがたくさんついているのと、いくらでも操作点が増やせるのとで非常に便利なので常用している。
AIXCOUSTIC CREATIONSのサイトからダウンロードできる。

PushTec 5+1A

pushtec

プリセットがたくさんあって、ミキシングに使えるパライコ。ただ、インターフェイスが斬新過ぎて実はよく分かっていない(笑)。
プリセットをぐるぐる選んでいって、イメージに近い音が出たらそれを使う、という感じでいい加減に使っている。(でも、The 60sからThe 90sまでの「年代を感じさせるミキシングプリセット」は、おっさんホイホイ用のミキシングにはなかなか使える(笑))

leftover lasagneのページまたはKVRのページでダウンロードできる。

(4)マキシマイザー

BuzMaxi3

BuzMaxi3

すっぴん調教動画で使用しているマキシマイザー。これは、出音にクセをつけたくないとき(例:ファイナルミックス)に使っている。
buzroomのサイトからダウンロードできる。


TLs Pocket Limiter

TLs Pocket Limiter

こちらは、出音にアナログアンプっぽい色がつく(気がする)ので、ボーカルの音圧を上げたりするときにはこっちを使うことが多い。
www.tinbrooketales.comでダウンロードできる。

(5)その他

MDA Detune

mda detune

ピッチを微妙にずらして音に厚みを加えるデチューンエフェクト。
メインボーカルをボカロエディタ上でランダマイズしてもう1つオーディオトラックを作って、それにこのデチューンの「Stereo Detune」のプリセットをかけたものを薄く乗せることで、ボーカルに厚みと広がりを持たせるために使っている。デチューンをかけたくないときは、同じMDAシリーズの「MDA Stereo」もよく使う。
MDA-VSTのページから、ひとまとまりでダウンロードできる。

(6)Music Creator 4のエフェクト



リバーブ(StudioVerb2)、ディレイ(Delay)、コーラス(Multivoice Chorus/Flanger)については、Music Creator 4にプリセットされたエフェクトを使っていて今のところ不満がないので、外部プラグインは使っていない。


※参考までに、今回アップした「さよならのめまい」でのエフェクトの配置がこちら。

sayonara_mix.jpg

上記で紹介したエフェクトをひととおり使っているのが分かると思う。
ボーカルが2つあるのは、片方はメイン、片方はランダマイズした上でデチューンとリバーブを厚めにかけて薄く乗せて、声に厚みを出すためのトラック。


posted by だんちゃん at 22:33| Comment(4) | TrackBack(1) | VOCALOID調教法 | 更新情報をチェックする
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