(1) ポルタメントの法則
デフォルト歌唱スタイルや個別の音符のプロパティで、上向ないし下向のポルタメントをオンにした場合、そのオンにした音符(音符1と呼ぶ)と、その直前の音符(音符0と呼ぶ)との関係が次のようになっている場合に、音が滑らかにつながる(ポルタメントがかかる)ようだ。(はっきりと分かっているわけではないし、時々違う挙動を示すこともあるが)
・音符0と音符1が「つながっている」
ぴったりとくっついている必要はなく、通常の歌い方でも「音がつながって発音される」位置関係にあればよい。
・音符0と音符1との間に音程差がある
上向がオンなら音符0<音符1、下向がオンなら音符0>音符1であるときにポルタメントがかかる。
・音符0よりも音符1の方が音の長さが長い
同じ長さだとかからないようだ。
これらの条件が揃うと、音符1を発音するときに、音符0の高さから始まって、滑らかに音符1の音の高さに移行する「ポルタメント」がかかる。
なお、このときにコントロールパラメータは特に変化しない。(PITファクターも変わらない)。
ちなみに、ポルタメントがかかっていた音符について、「発音が不明瞭」の問題を解決するために二重母音のテクニックを使うと、それまでかかっていたポルタメントがかからなくなることが多い。これは、二重母音にしたために上記の条件が満たされなくなるからである。
この問題を回避するためには、①PITファクターを操作して手動でポルタメントを設定する、もしくは②音符1を分割して、音符0と同じ高さの音節と本来の音符1の高さの音節に分ける。この場合、二重母音にした最初の子音を音符0の高さに、後の母音を音符1の高さに置くとうまくいくときがある(ただ、この場合は母音だけの「音符1」にさらにポルタメントがかかって、ポルタメントが長くなって不自然になるときがあるので、そのときは最初の子音の長さを短くしたり、母音だけの「音符1」のプロパティを操作してポルタメントをオフにするなどの調整が必要になる。
続く。