2008年01月16日

VOCALOID2操作(調教)法(13)

13.DAWを活用した修正(ステップ2)

 この段階では伴奏は既に用意されていて、DAWに存在していて、VOCALOIDの歌とも同期がとれていると仮定して話を進める。

 12.で出力したWAVEファイルを伴奏と合わせて再生し、全体をとおして聞いてみる。

 万一、全体が問題なくできあがっていて修正の必要がなければ、これで完成・・・だが、まずそうはなっていないと思うので、次のような修正をかけていく。ここからは、まさに1音1音との闘いになる。ここが最も時間のかかるパートである。

(1) 発音(滑舌)の不明瞭さ

 リン・レンでは、カキクケコ・サシスセソ・タチツテト・ハヒフヘホ・ラリルレロ・ダヂヅデドあたりを中心に、発音(滑舌)が不明瞭、もしくは正しく聞き取れない音がたくさん発生する。ミクはそこまでひどくないが、やはりたまに発音(滑舌)がおかしくなる。
 これの対策としては、次のような順で試していくとよい。(この中のいくつかは、替え歌「ラリルレロが歌えない」で自虐的に取り上げているが、実際にはうまく効くことももちろん多い)

① 二重母音
 たとえば「ら」を「ら・あ」という2文字にする。最初の音(この例では「ら」)は、32分音符くらいの長さにするのが無難だが、いろいろ試してみる必要がある。後の母音(この例では「あ」)のアクセントは10くらいまで下げておかないと、本当に「らあ」と聞こえてしまうことがある。

② アクセントを強化
 音符の下の線の左端をダブルクリック(または音符を右クリックで「音符のプロパティ」を開き、EXPボタンを押す)して、「アクセント」の値を+30%くらい増やしてみる。

③ ベロシティを下げる
 コントロールパラメータの「VEL」を、ほとんど0になるくらい下げてみる。(一般的にはVELは上げるより下げる方が滑舌の改善には効果的)

④ ベロシティを上げる
 コントロールパラメータの「VEL」を、100くらいまで上げてみる。

⑤ 前の音符を離す
 直前の音符を、2/32以上、前後の発音が分かれるまで離す。割と効果的だが、その部分がスタッカートになってしまうという欠点がある。

⑥ 他のコントロールパラメータをいじる
 OPEを下げると、口を閉じた感じになり、母音の「あ」音が「う」とか「お」に近くなる。
 BREを上げると「息っぽさ」が上がり、ハ行の頭に高いBREを設定すると、発音が(不自然になるけど)明瞭になることがある。
 BRIを上げると、声質自体が代わってしまうが、子音が聞き取りやすくなることがある。
 CLEを上げると、子音の発音が強調されて発音が明瞭になることがある。

⑦ 違う発音にする
 例えば「ら」を「る・あ」とか「りゃ」とか「り・あ」とかにしてみる。もっと過激な方法では、フレーズの一まとまりをいわゆる「空耳発音」に変えてしまう。

⑧ 別トラックに置く
 音がつながって子音が出ないケースでは、別トラックにその音だけを移し、ぽつんと置くと発音はまともになることがある(このときも、「CTRLを押しながらドラッグ」で音符をコピーして、パラメータ設定もコピーするようにする)。ただし、音のつながりは完全に壊れる。

⑨ ミクにサポートさせる
 最後の手段。滑舌の悪い音だけを、別トラックで同じ音・同じ高さでミクに発音させる。子音だけ発音してすぐに音量が下がるよう、音の長さやDYNの調整をする。ミクの声が聞こえてしまわないように注意する。(ミクはリン・レンよりも発声のタイミングが遅めなので、その点も注意。DAW上でタイミングをずらすのもアリ)


続く。
posted by だんちゃん at 21:19| Comment(0) | TrackBack(0) | VOCALOID調教法 | 更新情報をチェックする
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