レポートされたブログなどを見ると、「PROLOGUE」で披露されていたのは、ベースとなる歌唱を「お手本」にして、ボカロのパラメータを調整してはベースの歌唱との「ズレ」の変化をチェックし、「ズレ」が小さくなるように再調整を繰り返す・・・という、トライアンドエラー方式の調整方法のようだ。
つまり、「再調整」のための評価関数を最大化するようなアプローチだということ。
ということは単純にいえば、「すっぴん(無調整)ミク」と「カリカリにベース歌唱に似せたミク」との間の、どのポイントでも「止める」ことができるということでもある。それだけじゃなくて、評価関数をどう設定するかというところを工夫すれば、「AさんとBさんの中間の歌い方」とか「人間とボカロの中間の歌い方」とか(これも実際にデモされたという話も)みたいな、歌い方のブレンドも簡単にできるはず。
ということは・・・5人くらいのアイドルグループを作ったら、そのブレンド歌唱で簡単に総勢15人くらいに水増ししたグループを作って歌が出せるな。5人はリアルで、残り10人は歌唱をブレンドしたボカロで。
さらに言えば、やはりこれも評価関数の設定の工夫で、「人間を超えた歌のうまいボカロ歌唱」も、そんなに遠くない将来、きっと作れる気がする。(それに近いものも発表された模様)
で、Vocalistenerの面白いところは、単に既存の歌い手さんの真似をさせることではなくて、人の歌唱を「素材」に、設定する評価関数をクリエイティブに設定して、「歌い方のシンセサイズ」をするところにあるんじゃないかな。
今まではボカロのシンセサイズというのは、PITとかDYNとかいったよりプリミティブなパラメータを設定することだったのが、よりメタなレベルの「歌い方をどうブレンドするか、あるいは評価関数にどんな『モジュレーション』をかけるか」といったことを考えることになる、という感じ。
だから、このVocalistener的な技術は、きっと今後のボカロ方面には実装されると思う。
それは、ボカロ自体がそれに変わってしまうのではなくて、ボカロが「素材」「低レベル言語」になって、それのラッパー的な高レベルシンセサイザとしてVocalistenerが載ってくる、というイメージなんじゃないかな。
そんなVOCALOID3が出たら絶対買う。というか、今すぐミクやリン・レンで使いたいなー。
そういえば、この研究会で滑舌が改善された鏡音リン・レン ACT2が7月にリリースされることがクリプトンから発表されたらしい。
これは素晴らしいニュース。
素質としてはものすごくいいものを持っているのに、完成度が・・・なためにほとんど使わなくなってしまっているリンを使って、ミクでは歌わせにくいタイプの曲を歌わせることができるようになるかも。
この動画を見ると、ACT2のレンをすっぴんに通したらかなり魅力的な歌声になるんじゃないかな、と思った。
それと・・・もう一つ。
オンラインボーカロイドを通して、すっぴん調教の考え方がもっと広まると、ちょっと嬉しいかもしれない。



「歌わせ方」まで手をかけれない人や、
楽しそうだからボーカロイドを使ってみたい素人でも、
定型操作だけで一定以上のクオリティを持たせられるってことですね。
こういうノウハウは誰の物でもなく当然のように広まってくれれば
縁遠かった人種の才能まで取り込めそうで活気づきそうです。
パソコンがWindowsやインターネットで
一気に一般人の場となったように。
すっぴん調教の狙うところは、まさにその辺りです。
歌詞と音程を入力する、それだけなら少し練習すれば誰でもできるようになりますし、きっと、まもなく自動でそれをやってくれるツール(簡易ぼかりす・MikuMikuVoiceのようなもの)も出てくるでしょう。
それによって、自分で歌うなんてとんでもないという人でも、簡単にVOCALOIDを使ったバラエティ豊かな歌唱をいつでも創造することができる(しかもまずまずのクオリティで!)、それは素晴らしいことだと思います。
その目的のために、やはりこれも自動化が可能な「すっぴん調教」的なアプローチが活用されるといいなと思っています。